オフィスビルにおけるBCP対策(事業継続計画)は、災害や緊急事態が発生した際に企業の事業を継続・早期復旧のための重要な取り組みです。
[オフィスビルのBCP対策]
①高い耐震性能の確保
・新耐震基準(1981年以降施工)を満たす建物を選定
・耐震診断の実施と必要に応じた耐震補強工事
②非常用電源の設置
・停電時でも最低限の電力供給が可能な蓄電池・発電機を導入(72時間稼働可能な設備が理想)
③給水・備蓄の確保
・非常用飲料水・食料・簡易トイレ・寝具等を備蓄
・給水管の耐震化や非常時対応設備の整備
④避難ルートの整備
・非常口や階段の明示、障害物の排除
・定期的な避難訓練の実施
⑤地盤・周辺環境の確認
・ハザードマップで津波・水害・土砂災害リスクの把握
⑥感染症対策
・デスク間の距離確保、パーテーション設置、換気設備の強化、衛生管理の徹底
⑦従業員への意識付け
・BCPマニュアルの配布、訓練の実施、安否確認体制の構築
※BCP対策は「災害が起きてから」ではなく、「起きる前」に準備することが肝心です。オフィスビルの管理者として、テナント企業の信頼を得るためにも、諸対策を講じておくことが求まられます。
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