「オフィス・テナント」の原状回復工事は「居住用住居」と全く別物です。「居住用住居」であれば国土交通省のガイドラインにより通常損耗(経年劣化)は、貸主負担になりますが、オフィスは「原状(入居前の状態)に戻す」が原則で、通常損耗も含めて借主が全額負担するケースが殆どです。オフィスの原状回復工事の範囲は賃貸借契約書の記載内容が全てを決めます。「原状に回復すること」とだけ書かれた契約書でも、通常損耗を含む完全な原状回復工事求められると解釈されるのがオフィス物件の実態です。
[オフィスの原状回復と一般賃貸住居との違い]
住居では「入居前と同等の状態」に戻す定義ですが、オフィスではスケルトン(内装全撤去し躯体のみにする状態)を求められるケースが殆どです。住居であれば経年劣化として扱われるクロスの変色や床の傷もオフィスでは借主が原状に戻す義務を負います。「10年使用したから減価償却」という住居的な考え方はオフィスでは通用しません。
[オフィスビルの工事区分]
A工事:オーナー発注・オーナー負担工事(共用部修繕・外壁・躯体等)テナントの原状回復工事とは関係なく実施される。
B工事:オーナー発注、費用はテナント負担工事(空調の幹線設備・防災設備・電気幹線等)ビル側指定業者が行うため、テナントは業者選定不可。
C工事:テナント発注・テナント負担工事(内装工事・パーテーション・OAフロア・照明移設等)
退去時のトラブルを防ぐには、入居前にA・B・C工事の区分を確認しておくことが不可欠となります。
[消費税の扱い]
住居の原状回復工事費用に消費税は課税されません(居住用賃貸に係る非課税の適用)
オフィス・テナントの原状回復工事費用には消費税が課税されます。
※オフィス賃貸の原状回復工事は、法律上の原則(通常損耗・経年劣化は対象外)が遵守されます。
契約特約によって範囲が拡大する場合があるため、契約条項を確認することが重要となります。
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