建物賃貸借契約の法的枠組み・根拠

建物の賃貸借契約は、民法だけでなく借地借家法によって規律されています。

借主の居住や営業の安定を重視する構造となっており、貸主の自由な解約は制限されています。

【普通借家契約の更新に関する法的枠組み】

1.更新拒絶には正当事由が必要

借地借家法では、貸主が契約更新を拒絶する場合・解約を申し入れる場合には「正当事由」が必要とされています。単に期間が満了したという理由だけでは終了しません。

2.正当事由の判断要素

①貸主および借主が建物を必要とする事情

②賃貸借に関する従前の経過

③建物の利用状況

④立ち退き料の提供の有無

以上4つの正当事由を総合的に考慮して判断されます。

建替え予定や自己使用の必要性があっても、借主の居住必要性が強い場合には更新拒絶が認められないことがあります。

3.解約申し入れの期間

期間の定めのない契約では、貸主からの解約申し入れは6か月前に行う必要があります。

期間の定めがある契約でも更新拒絶の通知には期限があります。

【立ち退き料の法的な位置付け】

1.法律で義務付けられているわけではない

立ち退き料は法律上当然に発生するものではありません。

但し、正当事由の補完要素として提供されることが多く、実務では重要な交渉材料となります。

2.実務上の意味

建替えや再開発を理由とする場合、立ち退き料の提示によって正当事由が補強されることがあります。

費用を含めた事業計画を事前に検討しておく必要があります。

【定期借家契約の法的根拠】

1.更新がないことが明確

定期借家契約は契約期間満了により終了する契約形態です。

普通借家契約とは異なり更新はありません。

2.成立要件

定期借家契約は書面に更新がない旨を記載した上で、事前に説明する必要があります。この手続きが怠ると普通借家契約と扱われる可能性があります。

3.満了前通知

契約期間が1年以上の場合、貸主は満了前の一定期間内に終了通知を行う必要があります。通知を怠ると終了を主張できない場合があります。

【契約条項の確認ポイント】

更新条項、解約予告期間、特約の内容は法律の枠内で有効かどうかを確認する必要があります。

借地借家法に反する特約は無効となる場合があります。

以上、普通借家契約の更新に関する法的枠組み及び定期借家契約の法的根拠を述べました。

※定期借家契約の場合、周辺相場より割安賃料で設定されているケースがあります。貸主の転勤や諸事情による短期間限定での賃貸物件の場合、定期借家契約で割安な物件が見付かる可能性があります。但し、契約期間が満了したら次の居住物件に引っ越す必要があります。

「再契約不可」の物件であれば、再度、定期借家契約物件を選択した場合、数年毎に必ず引越費用(敷金・礼金・仲介手数料・引越作業代金)が発生してしまい賃料は割安でも長期的に見るとトータルの費用が嵩んでしまう傾向にあります。

いつまで住むか先の予定を決めていない人には不向きと言えます。

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