マンション修繕積立金の仕組み

マンション修繕積立金は、将来の大規模修繕工事に備えて各区分所有者から毎月徴収されるもので、建物の資産価値を維持するために重要な役割を果たします。

[修繕積立金:積立方式]

1.均等積立方式

・特徴:築年数に関わらず、毎月の積立金が一定の方式です。

・メリット:将来に渡る負担額が一定のため、長期的な資金計画が立てやすいです。

・デメリット:新築時から積立金額が高めに設定されるため、初期負担が大きいです。

2.段階増額積立方式

・特徴:築年数が経過するにつれて、積立金が段階的に増額する方式です。

・メリット:新築時の積立金額を低く抑えられるため、マンションの販売価格を魅力的に見せることができます。

・デメリット:築年数が古いマンションほど積立金が高くなるため、退職後の住人にとって負担が大きくなる可能性があります。また、将来の値上げが計画通りに進まず、大規模修繕時に資金が不足するリスクがあります。

※国土交通省は、長期に渡る負担の安定性から均等積立方式を推奨しています。

[修繕積立金の使途]

修繕積立金は、マンションの共用部分を維持・修繕するための費用に充当します。

(具体的な工事内容)

・外壁・屋上の補修・塗装工事

・共用部分の増設・改修工事

・災害による補修工事

・耐震改修工事

[管理費との違い]

マンションの維持管理費用には、「管理費」と「修繕積立金」の2種類があります。

・「管理費」:共用部分の日常的な維持管理に使われます。(例:清掃・設備の点検、管理会社への委託費用等)

・「修繕積立金」:大規模な修繕工事のために積み立てられる特別会計の費用です。

[長期修繕計画との関係]

修繕積立金額は、マンションの長期修繕計画に基づいて算出されます。

・長期修繕計画は、将来の修繕工事の時期や費用を予測し30年程度の期間で作成されます。この計画を基に必要な修繕費用を賄えるように積立金額が設定されます。国土交通省は、およそ5年毎に長期修繕計画を見直すことを推奨しています。

マンション修繕積立金の仕組み

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