造作買取請求に関する義務は、主に借地借家法第33条に基づいて定められており、賃借人が賃貸借契約終了後に造作(建物に付加した設備等)を時価で買い取るよう賃貸人に請求できる権利です。
[造作買取請求権の成立条件]
・賃貸人の同意を得て造作を付加したこと
・造作が建物の使用に客観的便益を与えること
・契約終了時(期間満了または解約申入れ)であること
・契約書に排除特約がないこと
[賃貸人の義務]
・造作を時価で買い取る
[賃貸人の義務が発生しないケース]
・賃借人が無断で設置した造作の場合
・賃借人が賃料不払い等の債務不履行で契約解除された場合
・賃貸借契約に造作買取請求権を排除する特約がある場合
請求の期限
・契約終了から1年以内に請求
※造作買取請求権は、賃借人の投資保護と合理的な資産回収のための制度ですが、賃貸人にとっては契約内容次第で義務が発生するかどうかが決まる点で重要となります。
契約書の内容や造作の性質・同意の有無等をしっかり確認することが不可欠となります。
お問い合わせ
その他の関連記事
一覧を見る-
アフォーダブル住宅の特徴
Read more[アフォーダブル住宅の主な特徴] 1.価格・家賃が抑えられている ・市場価格より割安な販売価格・家賃で提供される。 ・目安として、所得の30%以内の家賃負担を目標に設定されている。 2.公的支援や補助がある ・住宅建設費 […]2025.11.07 -
古民家民泊建築基準法
Read more古民家を民泊として活用する際には、建築基準法の遵守が不可欠となり、特に用途変更手続き、既存不適格建築物の取り扱い、接道義務および消防法への適合が重要なポイントとなります。 [建築基準法の主な要件と注意点] ・用途変更の確 […]2025.11.06 -
八潮道路陥没から学ぶ
Read more埼玉県八潮市で2025年1月に発生した道路陥没事故からは、インフラの老朽化対策の遅れや点検体制の不備等、多くの教訓を得られました。 1.事故の概要と原因 ・発生:2025年1月28日、埼玉県八潮市県道交差点の道路が陥没し […]2025.11.04